The optics and physics of near infrared imaging
Michael Vollmer; Klaus-Peter Möllmann; Joseph A. Shaw
Proceedings Volume 9793, Education and Training in Optics and Photonics: ETOP 2015; 97930Z (2015)
Event: Education and Training in Optics and Photonics: ETOP 2015, 2015, Bordeaux, France
メモ
必ずしもワイン検査への応用だけを扱った論文ではないが、NIRのイメージングに関するまとまったペーパーなので取り上げた。
我々の関心は、ボトルを通した近赤外(NIR)画像の可能性なので、Fig4の結果を見てみると、画像(a)は赤外透過フィルター(a:λ= 400〜700 nm)、画像(c)は赤外透過フィルター(c:λ= 830 nm〜1100 nm)の結果、そして画像(b)は 400〜1100 nmの全スペクトル範囲でのイメージング結果。通常の可視光域の画像( VISイメージ)はよく見るワインとボトルの色であるが、画像(c)の近赤外(NIR)画像は、完全に白黒となっており、画像(b)がその中間で現れていることがわかる。こういった基礎的な結果はネット上にはあるようで見当たらないので参考として掲載。
NIR画像
吸収スペクトル
続いて図5には水と赤ワインの吸収スペクトルが掲載されている。赤ワインでは概ね800nmより短い波長領域では急激に光の吸収がつよくなるが、それ以上の長波長領域では水と変わらない吸収レベルであることがわかる。この点から赤ワインの透過測定には概ね800nm以上の波長領域での検査が適していることがわかる。
そして結構面白い結果が以下の図6。水とワインの容器に対して、(a)は可視光、(b)はシリコン素子のNIR画像(一般的なカメラに赤外フィルターを装着)、 (c)はInGaAs素子による900 to 1700 nmの画像を示している。上記の経験的には、(c)の場合画像が透明に見えないのがなんとも不思議なところ。
この背景として、この論文では、CCDやCMOSなどのシリコン素子と比べてInGaAs素子の感度が高いことが理由だと説明している。InGaAsセンサーでは900nmのあたりでもそれなりの透過光があることから、InGaAsの高感度センサーでの画像は不透明に見えるということだ。
アブストラクト
フォトニクスの研究開発の大部分は、光学データ伝送や赤外線サーマルイメージングなどの商用アプリケーションと同様に、0.8μm〜15μmの赤外線スペクトル範囲で発生します。ただし、これまでのところ、このスペクトル範囲の物理学と光学を実験的に教えるために利用できる材料は比較的少ない。この報告では、0.8μm〜1.7μmの近赤外(NIR)範囲での新しいアプローチを報告します。これにより、多くの魅力的な物理現象を視覚化できます。まず、比較的安価なビデオカメラやデジタル一眼レフカメラでシリコンベースの検出器の近赤外線を検出します。これには、赤外線ブロックフィルターを削除し、可視光線ブロックフィルターに置き換えます。第二に、InGaAs検出器に基づく最新のNIRカメラを利用しています。両方のタイプのカメラを使用して、光学およびフォトニクスのカリキュラムに特に適した多くの物理概念を図示し説明します。例として、植生が明るい外観、雲と空の間のコントラストの強調、VISとNIR範囲の光学材料特性の最初の驚くべき違い、隠れた構造を視覚化する可能性、皮膚の下にある血管の可視化など最近の医療用途が含まれます。
https://www.spiedigitallibrary.org/conference-proceedings-of-spie/9793/97930Z/The-optics-and-physics-of-near-infrared-imaging/10.1117/12.2223094.full?SSO=1