Determination of 2,4,6-Trichloroanisole by Cyclic Voltammetry
P.Freitas L.G.Dias A.M.Peres L.M.Castro A.C.A.Veloso
Procedea Engineering Volume 47, 2012, Pages 1125-1128
メモ
TCAの検出は微量物質の検出なので性能の達成が難しいところです。この手法は私自身は実験したことはありませんが、溶液の中に電流を流してその応答速度から何らかの結果を得る手法のようです。
この手法は簡便に実施できることと、本論文によれば人間の検出能力よりも高いということなので実用性もあるかもしれません。ただし、ワイン溶液を分析する必要があるので、いわゆる非破壊検査はできないことが欠点かと思われます。
結局ブショネを見分けるのはワインボトルを開ける前に判断したいところなので、こういった侵襲的な手法は望ましくなさそうです。
アブストラクト
電子供与性置換基を持つ塩素化アレーンである2,4,6-トリクロロアニソール(TCA)の電気化学的還元をサイクリックボルタンメトリー(CV)によって評価した。TCAは、ワインの異臭の原因となる「コルク汚染」に関連しているため、ワイン業界にとって大きな懸念事項です。 得られた結果は、CVを使用して標準溶液のTCAを検出および定量化できることを示した。 0.08および0.26ppmの検出および定量限界で、現在の振幅とTCA濃度の間に線形関係(R> 0.990)が確認できる。 これらの結果は予備的な分析ではあるが、人間の感覚閾値(ワインで5 ppt)よりも優れた検出が可能であり、単純な方法であることから、この研究がワイン業界でTCAを検出するための、より効率的で安価なプロセスの開発に寄与すると考える。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1877705812044128