Ellagitannins in wines: Future prospects in methods of analysis using FT-IR spectroscopy
Marianthi Basalekou, Stamatina Kallithraka, Petros A.Tarantilis, Yiorgos Kotseridis, Christos Pappas
LWT, Vol 101, March 2019, Pages 48-53
メモ
エラジタンニンはオーク樽での熟成中に出てくる樽由来のタンニン。これが葡萄由来のタンニンと混じり合って複雑なテイストを出します。参考になるブログを以下添付します。
比較的良好な予測結果を出しているようです。ある程度参考値としては使えるかもしれないという結果ですね。
アブストラクト
木製樽でのワインの熟成は、リグニン、揮発性フェノール、加水分解性タンニンなどのフェノールが抽出されることにより、ワインの官能的特徴を変える可能性があります。加水分解性タンニンの中で、エラギタンニンはワインの感覚特性を変えるだけでなく、すでにワインに存在する化合物と結合して新しい物を生成することがわかっています。このため、それらの定量化はとても重要です。しかし、エラギタンニン分析では、先端機器と多くの準備手順が必要なため、その定量化にはコストと手間がかかります。この研究では、ワイン中のエラジタンニン濃度の定量化のためFT-IR分光法とケモメトリックスを組み合わせる方法を初めて検討しました。スペクトルの指紋領域1821-950 cm-1を使用して、部分最小二乗回帰を使用してキャリブレーションモデルを構築しました。相関係数(R2)は0.93で、キャリブレーションの平均二乗平方根誤差RMSECは1.17、予測の二乗平方根誤差RMSEPは1.57でした。この結果は、FT-IRを使用することでワインの全エラジタンニン含有量を迅速かつ非破壊的かつ経済的に推定できることを示しています。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S002364381830968X